これをもっていけ

しかし、多摩ニュータウンの場合には少し様相が変わってくる。多摩ニュータウンの住み既存市街地が相互に個性的な居住環境を持ちつつ替えの図式は、新住区域、区画整理区域、それぞれに供給された住宅に対して、ニーズにあった世帯が移動をしている。また、新住区域内での移動も進んでおり、公的賃貸から分譲マンションへ移行する場合や、バス便の戸建て住宅区域から新規に供給された駅近くのバリアフリーマンションに移る場合など、高齢化に伴う住まいの循環もある。
これまでの住宅双六であれば、戸建て住宅の取得が上がりになったが、多摩ニュータウンではさらに上がある。高齢になっても住み続けられる住まいが多摩ニュータウンには供給されていないためか、多摩市でのデータによると五0代·六0代の転出が顕在化している。
この多摩市内の区画整理区域での同世代の転入現象からも裏付けられ、現象は、新住区域から区画整理区域への移動もあることが確認できる。おそらくバリアフリーの環境を求めて、区画整理地区に建設される民間のマンションへの移動であろう。
住まいの循環は多摩ニュータウン内に転入することから始まる。まずは賃貸住宅への入居は区画整理区域の民間アパートあるいは新住区域内の公的な賃貸住宅に入居することから始まる分譲住宅への転入では、新住地域の中古マンションか新築分譲マンション、または戸建て住宅の購入ということになる。

検認の申立て殆どの場合は双六の上がりに向かって進んでいく住み替えであるがすでに持ち家から賃貸住宅へ、戸建てからマンションへという動きも生まれている。一般的に多摩ニュータウンでの持ち家の最初の取得は三〇歳代でマンションを購入すると想定すると、その時の住戸規模は子育てを前提として最大家族数に合わせたマンション購入が一般的である。二00六年完成の民間分譲マンションでは九九平方メートル.二八00万円台という定期借地権分譲や九二平方メートル·二七00万台という大規模マンション分譲が行われまた、一次取得のファミリー世帯にとって持ち家取得は容易である。
その後のマンション供給も盛んで、次第にマンション単価そのものは上昇しているもののファミリー中心の供給が目白押しである

このように多摩ニュータウン内での持ち家取得が容易になっている背景には、東京都や都市機構の処分用地の低価格化が背景にあり、マンション分譲業者にとって効率の良い敷地の確保で大量の住宅供給が進んでいる。

新たなマンション供給の基本的な流れは、大量供給であり、バリアフリー、動物飼育可、生活サポートを謳っているのが基本事項で、容積率は制限を最大限活用し、階数は経済効率の高い一四階建てを配置、中には超高層住宅も現れている今では土地を仕入れても空き地のままで放置するディベロッパーも現れ、次第にマンション·バブルに近づいているように見られるほどだ。

千葉·市原ニュータウン

こうした一次取得層にも手が出せるマンション供給が続く中で、多摩ニュータウン内の中古物件価格も連動して下がっており、さらに幅の広い所得層が持ち家を購入しやすい状況が生まれている。持ち家取得が容易になる反面、公社や都市機構の比較的新しい賃貸住宅に空きが多く発生しているのは必然である。低価格マンションの大量供給に対して賃貸住宅市場に大量の空きが出た格好になったが、家賃相場が多摩ニュータウン周辺から見て魅力的な市場家賃にすりつけば、環境の良い多摩ニュータウンであるだけに周辺から賃貸入居者が転入する。そして多摩ニュータウン版·住宅双六が進むことになる。
しかし、この繰り返しも全国的な世帯数の減少に対しては対抗できず、余剰の住宅を生む可能性もあるが、その発生が多摩ニュータウンの全体的な現象として生じるのか、賃貸住宅や分譲住宅といった住宅所有別の空き家発生になるのか、はたまた多摩ニュータウン周辺に発生するのか、あるいは限定された地区という局所的な展開になるかを占うことは難しい。

ただ、大量に空き家が発生する可能性を持っている公的賃貸住宅の活用を間違うと手の施しようのない状況にまでいく恐れがあり、家主である都市機構や都公社に期待したいところである。こうした状況に対して、住み続けることができる多摩ニュータウンを育て、外部に資金を逃がさない方法、つまり高齢者が住み続けることができる環境を作ることに公的賃貸住宅は大いに貢献することが可能であろう。

高齢者の多くは子に美田を残すのではなく、最後まで自らの資産を消費していくことを望んでおり、こうした居住環境を創るためには公的賃貸住宅の役割

は重要である。少し知恵を使えば、多摩ニュータウンから外に転出する高齢者世帯を抑止し住み続けたいとする高齢者予備軍に、安心して住み続けようという判断をさせる仕掛けを作り出せると考えている。
公的賃貸住宅の空き家発生のメカニズム大規模に供給された公的賃貸住宅は、その時代背景や政策的な動きにより空き家の大量発生に大きく振れることがある。
新しい町先般の三宅島噴火による島民の移住と帰島は、公的賃貸住宅の現実的な空き家の活用と新たな発生となって公的賃貸住宅経営に影響を与えることになった。バブル崩壊により土地の利用が進まなかった東京都の土地に大規模に都民住宅が建設されたがその入居者となったのが三宅島の島民である。人気の無かった都民住宅が折からの自然災害に寄与した格好になった。しかし、帰島後は大規模な空き家が残っている。とりわけ、現行法の場合、公営住宅であるか都民住宅であるかで、空き家の活用状況が異公営住宅については現状でも不足している状況があり、即刻埋まるが、なってくる。
都民住宅の場合は持ち家化の動きに圧されていて、入居者は少なく空き家の埋まる期間も長引くと思われる。つまり家賃が相対的に高いファミリー型の賃同様に都市機構住宅も比較的新しい住宅、貸住宅については入居者が集まらない状況が続き、結果として大幅な家賃の見直しを迫られた。

当初家賃三ヶ月無料なんと二五パーセントの家賃減額敷金の分割払いOKとは都公社の宣伝文句で、まるでバナナのたたき売りである日本の公的賃貸住宅政策と海外の住宅政策との違いをたとえるのに、JRの座席指定の考え方とヨーロッパ鉄道の指定席の取り方の違いを例にすると分かりやすい。

被相続人の趣味

日本では指定席車両は自由席車両より仕様が良いランク上の車両というニュアンスがあり、指定席券を持っていなければ車両にも立ち入れないというイメージがある。いわば、ヨーロッパの一等,二等の考え方と同様な扱いが見られる。指定席の目的は、確実に座りたいから座席を有料で確保する席料であるから、本来の主旨からは車両には関係していないはずである。皮肉にも指定席車両が混んでいて、自由席車両がガラガラという状況があるが、ヨーロッパではあり得ない。ヨーロッパでは全車両が指定席対象であり、かつ自由席でもあるという仕組みがある。
指定席は全車両から好みの車両と座席を選択する。従って、指定を受けていない座席は全て自由席で指定席と自由席が混在しているのだ。指定席はあらかじめ利用する予定の人が前もって予約予約ありの場所には予約済みの区間を示した札が付けられている。札が無ければ自するので、由席だし、札があったとしても示された区間以外は自由席である。

家賃よりローンの支払いが少ない前もって札を付ける手間はあるが、指定席券の有無をいちいち車掌がチェックすることなく、利用者が自主的に確認することができるので座席に無駄がなく合理的で公平である

日本の公的賃貸住宅は公営住宅が不足しても、空いている都市機構住宅には入れないし、その逆もできないシステムになって不況で公営住宅が不足している時にいる。
は他の公的賃貸住宅が公営住宅としての機能を持てばいいし、公営住宅が余っているときには機構住宅や公社住宅の入居基準で利用できるようにすることも無駄な空き家を生まない方法である。
少なくとも公的賃貸住宅相互での融通を拡大することは、過剰な資産を増やさない政策として重要である。ただし、これについては国の方針変更が必要だが、地方の裁量で行えるならば早速取り組む価値はありそうだ。
国は今回の住宅政策の見直しで多少の融通を可能にしたが、基本的には制度住宅の利用が芳しくないから制度枠を超えた住み替えを許容しようとしているものであり、居住者本意の制度改革ではない。このような小手先の改革では、公的賃貸住宅は早晩空き家が急増すると思われるそこには都市機構住宅や都民住宅のファミリー賃貸の家賃が一0万円であるとすれば同額で同等規模以上のマンション購入が可能であるという現実がある。